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Always with Smile。いつも笑顔で。

「あの日」

2011年3月11日の地震のあと、立て続けの余震や様々な情報の中、音楽家である私は大きな喪失感と無力感に押しつぶされそうになっていました。自分を保つためもあったと思います、「何とかして誰かの役に立ちたい」その一心で私はその時出来る事をなんでもやろうと思ったのです。
一人暮らしで不安がっていた友人達を受け入れ10人ほどで共同生活しながら、情報を集め出来る事を探しました。幸運なことに、自宅から50mほどのところにある企業が建物を開放し、そこにボランティアが集まり、支援物資の集積所となっていました。
様々な人が人脈を駆使し法的な問題も解決した上で、運送業者の方が提供してくれたトラックを、トライアスロンの仲間達が寝ずの交代で運転し、ともかく町から町へ情報収集しながら求められたもののリストを持って帰ってくる。集まった大勢のボランティアによって仕分けされた物資から必要な物を選んで積んで持っていく。生の情報に触れながら、私は在庫が薄くなっていくもの、不足が叫ばれているものなどを中心に購入して託すことにしました。
手分けして、毛布や子供服、粉ミルクや電池、普段では決して買わない量を誰かのために買いました。その非日常の行動は、友人達の精神的な安定に大きく寄与しているようでした。東京で手に入らないものは、日本中あちこちの先輩や仲間に連絡して送金し、買って送ってもらったのでした。役割を見つけて頑張ったのはいいのですが、私は身の程を失いかけていたようで、気付くと自分の生活が危うくなる一歩手前まで貯金を放出してしまっていました。全く後悔はしていませんが、
こんなにあっという間に無くなるもんか、と苦笑いしたのを覚えています。
ハチドリにすらなれないのか。やり方を変えないといけない。

「私は歌手」

私は歌手です。しかもアカペラを愛する歌手です。アカペラは、人間が集まりさえすれば出来るスタイルです。音楽のための荷物は要りません。ただ、一緒に歌ってくれる仲間が必要です。
同じような気持ちを抱えて右往左往している人がいるならきっと一緒に行ってくれるだろうと、私は仲間を集め始めました。仲間はたくさんいました。みんなどうしていいかわからないでいました。歌っていいのだろうか。そもそも必要とされているのか。
まだ3月でした。文部科学省にいた大学の後輩に相談すると、歌は必要とされている、すぐにでも避難所を紹介できる、是非行って欲しいと言われました。
トラックとバス合わせて3台、30人でトラックいっぱいの支援物資を持って、福島に行きました。
私自身は歌えませんでした。後輩達が頑張ってくれて、避難所の子供達が歌ってくれるのを見て、初めて、歌うことが許されたと感じました。
それから半年の間、休みのたびに仲間を募って、町から町へ歌いに行きました。
そこで感じたのは、あまりにも広大な地域での深刻な被害と、そこに立ち向かおうと歯をくいしばるみなさんが、それでも明るく笑うその笑顔でした。
5年や10年でどうにかなる話じゃないな、と思いました。
では20年?30年?続けるにはどうしたらいいのか。行き当たりばったりでは難しいし、飽きっぽい自分も信用できません。

「30年続く活動を」

AWSを一般社団法人にしたのは、そんな中での話でした。
少なくとも30年続く活動をしたい。
会社にしたと言っても、知識があるわけでもなし、収入を得るための活動もなし、変わったことは、将来の可能性が少し広がったことだけです。それでも、私には十分でした。
あちこちにお邪魔して、色々な人と様々な話をしました。音楽で支援するといって東北へ行く人の、悲しい話も聞きました。自己中心的だったり偽善だったとしても、役に立ってたらそれでいいです。でもやっぱり、長くは続かない。
何かを与えに行くという感覚が本当に嫌いで、一緒に行く仲間にどう説明したらわかってもらえるか考えました。
一緒に歌ってくれる仲間を探しに行く、一緒にアカペラを楽しんでくれる人を見つけに行く活動を中心に据えることにしました。

「いつも笑顔で」

今、AWSでは、首都圏の介護施設への訪問、双葉町から避難してきた中学生と一緒に結成したハモり部、宮城県の気仙沼市や女川町に毎月1回行くプロジェクト、と、学生を中心としたチームで息の長い活動ができる団体を目指しています。
福岡広島島根をアカペラでつなぐ試みなど、他にもこれから始動するプロジェクトがいくつかあります。
音楽を、ハーモニーをきっかけに仲間を増やし、その絆でたくさんの人々をつなぎ、何か起きた時には「いつも笑顔で」自然に助け合えるネットワーク作りを目指しいきたいと思っています。

AWS学生アカペラプロジェクト

Born in Tokyo Japan.
established in 2011.
Always with Smile!